現地の日々の生活をご紹介します。


























バングラデシュの農村で、デキチャタ体験(足踏み式粉挽き機)


 バングラデシュに何百年も伝わる伝統的な調理道具の一つデキチャタ。(ベンガル語)
まるで日本の杵でつく餅つきのように、つき手とこねての息がぴったり合わなければ
手を打ち大けがにつながってしまう、臼と杵によく似た道具のような気がします。
デキは、乾燥した硬い土の上に設置して使いますので、まずデキを設置する庭先の土の上を
きれいに掃除することから始まります。
また、この作業は屋外での作業となりますので、乾季のみの作業です。
小粒で香りのあるコメを(パーボイル処理していないコメを用いる)一晩水に浸け、水切りした米を
穴に入れ、先端のデキを踏み、数回ドスンドスンと踏み、穴に入っているコメをつきます。
途中何回か、コメを手でひっくり返し、均一に粉にしていきます。
ある程度粉に挽けたら、取り出しふるいにかけ、粒の大きいものを再度、穴に入れ、きめ細やかな
米粉を作ります。
挽きたての米粉は、すぐに庭先の大きく広げたきれいな布の上に広げ、天日干しします。
この粉を用いて多種多様な家庭の手作りのお菓子を作ります。
バパピタ(ナツメヤシ砂糖、ココナッツ入りふかし饅頭のようなお菓子)
チタピタ
バガンピタ
クリピタ
ローシュピタ等々
様々な名前の付いたお菓子の材料になります。
お菓子の具体的な説明は次回のお楽しみに........

現在、バングラデシュの農村でもこの道具が無くなりつつあります。
理由は、
1.2000年9月に起きた大洪水で大半の家庭が所有していたデキチャタが流されてしまった。
2.ベンガル語でバブラガーチ(バブラの樹)は成長の遅い大変硬い木で高価。入手しにくく
  現在は設置する家庭が少ない。
3.店頭で米粉入手可(機械で製粉)。自分で挽く人が減ってきている。


デキチャタで手間暇かけて挽いた米粉は、香り高く旨味多い。手作りのお菓子に用いるとこれほど美味しいことはない。しかし、どれほどの手間をかけているかと考えると、デキチャタで作るお菓子は大変贅沢で高級な家庭の味と言えます。デキチャタは、バングラデシュ食文化のスローフードを作り出す道具の一つと言えるでしょう。


アジアハイウエイ・・・雨季の風景
バングラデシュ、首都ダッカから南東地域チタゴンから始まり、インド国境近くの町ベナプールを抜け
コルコタへ。遠くアフガニスタンまで続く。
昔々のお話。
親孝行の息子が、道を行きかう母親を暑さから救いたいと思い、植えた木が
成長して、見事な巨樹の並木道となりました。



バングラデシュ農村、乾季の風物詩
樹液を集め、ナツメヤシ砂糖を作ります。トローリ砂糖から、固まり砂糖へと時間と火加減で形を整えます。この時期に1年分の砂糖を作り保存します。この砂糖は主に菓子作りの材料となります。



雨季
7月に入り、ようやく本格的に振り出した雨。
雨季は6月末から10月初旬まで続き、8月はそのピークとなります。
本来雨季の雨は、農業に欠かすことができない大切な水資源となり
また、暑い暑い気温が下がりホッとする瞬間でもあります。
長雨が続けば、洪水を引き起こし災害につながってしまいます。
世界的に温暖化の現状、バングラデシュも昔の状況とは違った天候に、
ひたすら洪水にならないことを祈るばかりです。


南アジア、バングラデシュの猫は毛が短いのが特徴です。
ペットとして買う習慣はこの農村地域ではまだ見られません。
ネコの役割は、ネズミ退治。
現地ロシュン事務所のお隣さんの雄ネコ。よく遊びに来ます。
「名前は何?」と聞くと、隣人の子供が「ビラール(ベンガル語でネコ)」と
答えてくれました。